臨床心理学にいる

学問としての臨床心理学や犯罪心理学について、日々徒然と書いているサイトです。

不安とは

不安 恐怖は、それを喚起するはっきりとした外的な対象が存在する感情である。その一方、不安は、漠然とした怖れの感情である。とりとめもなく、どうにもならない困惑や焦燥そのものであるといえるかもしれない。K.ゴールドスティンは、破局的な状況が迫った…

心理学用語 好訴者とは

好訴者(こうそしゃ) もともと活動性の高さを背景に、権利侵害など何らかの屈辱的な出来事が引き金となり、その後の人生のすべてを訴訟と闘争に捧げようとする人のこと。独善的な正義感に基づいて、ひたすら告発・訴訟・闘争などを展開する。E.クレペリンは…

心理学用語 無力者とは

無力者(むりょくしゃ) K.シュナイダーの精神病質人格類型の一つ。無力者は、自分自身のことを全く信じていないため、些細な身体の変化を過度に気にしやすく、結果、何かと気疲れしがちで、楽しみを感じることができない。身体的・心理的なストレスに敏感。…

心理学用語 敏感者とは

敏感者(びんかんしゃ) E.クレッチマーによると、敏感者とは、強い感受性を持つものの、感じ取ったものに縛られて適切に処理できない人である。また、無力感を抱く一方、高い理想自我を備えているため、罪悪感や屈辱感を抱きやすい。対人関係の場合、敏感関…

様々なうつ病(うつ病の種類の続き)

1.心因性うつ病 心因性うつ病には、狭義の概念と広義の概念がある。狭義の概念は、もともとJ.ランゲが提唱したものである。J.ランゲは、内因性うつ病、反応性うつ病、心因性うつ病の3つに分けた。反応性うつ病は、抑うつに至るきっかけに遭ってうつ状態を…

心理学用語集 意志薄弱とは

意志薄弱(いしはくじゃく) 持続性のなさを特徴として、環境の影響をやたら受けやすい傾向のこと。H.エミングハウスは、これは意思欠如と区別しようとしたが、今はほぼK.シュナイダーの意志欠如と同義として用いられ、これよりは軽い程度と見られている。 …

躁うつ病とは

躁うつ病 統合失調症と並ぶ二大内因性精神病の一つ。躁状態やうつ状態という感情の障害が、はっきりとした周期を持って出現し、通常、経過後に人格欠陥を残さずに完全な回復に至る。以前は感情病ともいわれていた。また、その両極性に注目して循環精神病、循…

うつ病の種類とうつ病仮説

1.うつ病の種類 (1)症状によるうつ病の種類 メランコリー型:重症のうつ病の一つ。ほとんどすべての活動で喜びが全く感じられなくなる。早朝覚醒、過度の焦燥または気力の減退、食欲不振または体重減少、過度の罪悪感などの症状が見られる。 緊張病性:…

気分障害とは

気分障害 1.気分障害の成り立ち 従来の抑うつ神経症や躁うつ病、情動性人格異常など、抑うつや気分の高揚などの気分変化を主とするカテゴリーの総称として、1987年、DSM-Ⅲ-Rで最初に用いられた疾病分類。後にICD-10においても採用された。これまでは感情障…

うつ病とは

うつ病 1.うつ病とは うつ病とは、古代からメランコリーという名で知られている状態である。うつ病(depression)の語源は、ラテン語のdepremere(抑える、低下される)であり、もともとは精神機能の減少や障害を表す概念として用いられた。E.クレペリンは…

心理学用語集 常習(慣習)犯罪者とは

常習(慣習)犯罪者(じょうしゅうはんざいしゃ) 犯罪が常習(慣習)となっている犯罪性の進んだ犯罪者の一類型。ヴァールベルクによって提唱され、アシャッフェンブルクによって、その犯罪者分類(偶発殺人、激情犯人、機会犯人、予謀犯人、累犯者、慣習犯…

統合失調症とは

統合失調症 1.はじめに 統合失調症は、発生頻度の高さ、病像の特異性、治療上の困難さなどから、最も重視すべき病気といえる。にもかかわらず、身体的基盤については今のところ確実な知見が得られていない。その診断はもっぱら精神症状と経過を観察するこ…

心理学用語集 激情犯罪者とは

激情犯罪者(げきじょうはんざいしゃ) C.ロンブローゾは、生来性犯罪者と区別される犯罪者類型として機会犯罪者と激情犯罪者をあげた。ブチ切れたことによって、冷静な判断を失い、犯行に至るもの。H.グレールのいう激情からの犯罪者と近い概念であり、酩酊…

心理学用語集 偶発犯罪者とは

偶発犯罪者(ぐうはつはんざいしゃ) 不注意または過失によって、犯罪を起こすことになったものをいう。この場合、機会犯罪者と同様、一時的なものであるが、故意ではない。

抗精神病薬 基礎知識と補足事項

向精神薬の基礎知識と補足事項 1.うつ病の病因仮説 古典的モノアミン仮説では、うつ病は脳内モノアミン(ノルアドレナリン・セロトニン・ドパミン)量が減少することに起きると仮定する。そのため、抗うつ薬によって低下したモノアミンを増加させることに…

抗精神病薬の種類 抗不安薬

抗不安薬の種類 現在使用されているのは、ほとんどがベンゾジアゼピン系の薬物。ベンゾジアゼピン系の薬物は元来、精神的・身体的依存をきたすが、臨床に用いられるものはできるだけその傾向が少ないものが選ばれる。利点は、薬効量と中毒量の差が大きいこと…

抗精神病薬の種類 抗躁薬(気分安定薬)

抗躁薬(気分安定薬)の種類 気分の変調を是正するために投与した抗うつ薬を「補強する薬剤」、または「維持期の再燃を予防するための薬剤」である。 総称名テグレトール、一般名カルバマゼピン。非常に多彩な適応効能を持つ薬剤。基本的には抗てんかん薬で…

向精神薬 抗躁薬と抗不安薬の特徴

抗躁薬と抗不安薬とは 1.抗躁薬 抗躁薬とは気分安定化薬とも呼ばれ、躁病や双極性障害(躁うつ病)の躁状態に対して効果のある薬のことである。躁病や双極性障害の症状がエスカレートすると、多額の金銭を浪費したり、万引したり、大言壮語したり、他人に…

抗精神病薬の種類 非定型抗精神病薬

非定型抗精神病薬の種類 非定形抗精神病薬は、いくつかの精神伝達物質に対してより選択的に働き、ドーパミン受容体遮断作用だけでなく、セロトニン受容体をはじめとする様々な受容体に遮断作用を持つのが特徴である。現在の抗精神病薬の主流。 従来の定型抗…

心理学用語集 機会犯罪者とは

機会犯罪者(きかいはんざいしゃ) ワークベルクによって提唱された概念。目の前のせつな的な誘惑に魅せられて犯罪に及ぶものをいう。激情犯罪者、偶発犯罪者と並んでF.V.リストのいう瞬間犯罪者に属するが、情緒的な興奮がほとんどない点で激情犯罪者と異な…

心理学用語集 負因とは

負因(ふいん) ある個人や家系について、精神障害などに至りやすい遺伝的素質があること。血のつながった親族に、精神障害者や知的障害者、犯罪者、変わり者がいる場合、本人もそうなりやすいのは遺伝的要因が強く関与していること、子孫にもその素質を伝え…

抗精神病薬の種類 定型抗精神病薬

定型抗精神病薬の種類 定型抗精神病薬は、ドーパミン受容体遮断作用がメイン。副作用は、めまい、過鎮静、眼球上転、眠気、口の渇き、遅発性ジスキネジア、脱力感、低血圧(立ちくらみ)、便秘、振戦、月経障害、性機能障害、排尿困難、ふらつき、アカシジア…

向精神薬 抗精神病薬の特徴

抗精神病薬とは 抗精神病薬とは、その名の通り精神病に効くという薬の意味であり、統合失調症、非定形精神病、躁病、中毒性精神病といった障害に伴う幻覚や妄想、興奮を抑制する薬のことである。メジャートランキライザーとも呼ばれ、大きく定形抗精神病薬と…

睡眠薬の種類 非ベンゾジアゼピン系

非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、脳内のベンゾジアゼピン受容体へ作用し、主にGABAの神経伝達を亢進することで催眠・鎮静作用を表すものである。ベンゾジアゼピン系に似ていないか、全く別の化学構造であるにもかかわらず、薬理…

睡眠薬の種類 バルビツール酸系

バルビツール酸系の睡眠薬 ベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤が存在する現在にあって、致死量の低い古典的なバルビツール酸系をあえて処方する理由はほとんどない。とはいえ、非常に良く効く。 通常、安全性の高いベンゾジアゼピン系の睡眠薬が処方され、利か…

睡眠薬の種類 ベンゾジアゼピン系

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬 ベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤は、過去に使用されてきたバルビツール系の薬物に比べると非常に安全性の高い薬物といわれている。これはベンゾジアゼピン系の薬物が脳内のGABA神経のみに作用するという特徴をもっているためで、…

向精神薬 睡眠薬の特徴

睡眠薬とは 睡眠薬は、睡眠導入剤とも呼ばれ、睡眠障害(不眠症など)や睡眠が必要なときに基いられる薬の総称である。睡眠薬には、バルビツール酸系、ベンゾジアゼピン系、チエノジアゼピン系、シクロピロロン系、抗ヒスタミン薬などがあり、それぞれの薬が…

抗うつ薬の種類 第一世代から第四世代まで

抗うつ薬の各論 1.第一世代 三環系抗うつ薬(1950年代〜)。古典的な薬。自殺の手段に使える。1950年代後半に、スイスの精神科医が偶然発見した。三環系という名称は、3つの環を持つ化学的構造に由来する。この薬は、神経伝達物質を作る細胞が、神経伝達物…

向精神薬 抗うつ薬の特徴

抗うつ薬とは 精神医療で薬物療法を占める割合が大きく、基本的に薬物療法は必ず行われる。 現在の精神科治療は、1952年クロルプロマジンの抗精神病作用の発見に始まるとされる。その数年前からクロルプロマジンは、交感・副交感神経の両方を遮断できる画期…

放火犯とは どうして人は放火するのか?

どうして人は放火するのか? 火は人間に興奮を呼び覚ますものであり、火を見て興奮するのは万人に共通する感覚である。「家事と喧嘩は江戸の華」という言葉もある。柳田国男の「火の昔」には、過去の日本人にとって火がいかに喜ばしく、美しいものであったか…