臨床心理学にいる

臨床心理学や犯罪心理学についてのあれこれ

心理学用語集 加害妄想

加害妄想(かがいもうそう) 罪責妄想の一種。自分が他人や周囲に対して、実際には起こっていない不幸や災いをもたらしたと確信したり、現実の出来事や事件に対して自分がその原因であると思い込んだりする妄想のこと。主に統合失調症に見られ、自分が世界の…

快楽殺人

1.快楽殺人 殺人で、その際に加害者が性的興奮を感じて、それを目的に犯行が行われる場合をいう。加害者は、性的に一時的あるいは持続的に不能であり、殺人がセックスの等価物に位置づけられる。ゼンフ(1911)は、①被害者を性的に破壊することによって性…

心理学用語集 回心とは

回心(かいしん) 回心という言葉には、「向きを代える。」、「本来あるべきもとの状態に戻る。」という意味であるが、もともとは、自己中心的な生き方を悔い改めて(キリスト教の)神を中心とする生き方に鞍替えし、他者の必要性に使えるように根本から改め…

心理学用語集 異常性格とは

異常性格(いじょうせいかく) 人格異常、人格障害(パーソナリティ障害)、精神病質、変質者、変わり者、精神不均衡などとほぼ同義で使われる言葉。パーソナリティ(人となり)の偏りが著しかったり、異常であったりする。 つまり、普通の人とは大きく変わ…

ビッグ・ファイブ

1.ビッグ・ファイブ ビッグ・ファイブ(Big five)は、パーソナリティ特性論の1つの主要な考え方である。5つの特性・次元でパーソナリティを包括的に説明できるというもので、1980年以降注目されるようになった。 5つの次元とは、 1.Openness to experien…

脳波

1.4つの脳波 脳波は4つに分けられる。 δ(デルタ)波:0.5〜4Hz未満 Θ(シータ)波:4〜8Hz未満(slow wave) α(アルファ)波:8〜13Hz未満 Β(ベータ)波:13Hz以上(fast wave) (1)α(アルファ)波:8〜13Hz未満 1929年にドイツのハンス・ベルガ…

心理学用語集 過補償とは

過補償 補償が過大になりすぎるため、かえって様々な障害が生じること。アドラーによって導入された概念である。人間は幼く、弱小だった存在だった頃の劣等感を補償し、優越感を勝ち得ようとする傾向がみんなに見られ、それが成功をもたらす補償になるときも…

打ち消し

1.打ち消しと反動形成 打ち消しとは、既に行われた行為や意識された考えに伴う特定の情動を、正反対の情動的意味を持つ行為や考えによって打ち消そうとする「つぐない」と「やり直し」の心理機制である。要するに、なかったことにしようとする機制といえる…

意識と意識障害

1.意識 意識とは、自分の状態と周囲の状態を知っていることと、それに気がついていることである。英語、フランス語ともにラテン語のcum(ともに)とscius(scireの過去分詞、「知った」)から合成されたconsciusを語源とする。ラテン語に「知る」という意…

意志薄弱と意志欠如(者)

1.意志薄弱 意志薄弱とは、環境の影響を異常に受けやすい傾向のことである。シュナイダーの意志欠如とほぼ同じ意味か、それよりは軽い程度とされる。意志の発動性と持続性が弱いため、主体性や自主性に欠け、周囲の影響を受けてころころと態度を変えやすい…

意志と意志欠如

1.意志 意志とは、ある行動を選択・実行することである。動因、動機、欲求などの行動を引き起こす内的な状態とほぼ同じ意味で用いられ、何かをしよう、これをしたいという気持ちを表す。精神医学では、意志を動因の上に立ってそれを方向づけるものと定義さ…

アルコール妄想症

1.アルコール妄想症 アルコール妄想症とは、アルコール依存症に見られる慢性妄想のことである。慢性妄想は、①解釈妄想と②幻覚妄想に分けられる。 (1)解釈妄想 解釈妄想は、出来事に対する妄想的な解釈で、アルコールの場合は特定の対象にのみ妄想が生じ…

アルコール幻覚症

1.アルコール幻覚症 アルコール精神病の一つ(下位カテゴリー)で、アルコール依存症の人が多量の飲酒をした際に急激に発症する精神病性障害である。内的な葛藤や罪悪感を反映した敵意的・脅迫的な内容の幻聴が展開され、三人称で名指ししながら対話し、侮…

心理学用語集 アルコール精神病とは

アルコール精神病 実際のところ、アルコール精神病に定義はなく、アルコール依存に関連して生じる神経・精神障害の総称である。何でもあり。 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

アニミズム

1.アニミズム 宗教の最も原始的な形で、木や草や水や山、岩などの自然や動物の中にも人間と同じように精霊や霊魂が宿っているという考え方。森羅万象すべての事物に霊が宿り、それらを崇拝するという思想は、未開拓民族だけでなく現在の人の意識の中にも存…

犬神憑きとキツネ憑き

1.犬神憑き 西日本の特に四国地方に見られた現象。犬神筋または犬神持と呼ばれる特定の家系の人が、犬神という小動物を駆使して害を与えると信じられていた。取り憑かれると急激に人格が転換し、二重人格を呈することになる。第二人格は犬神筋の人とそっく…

アルコール依存症

1.アルコール依存症 アルコールは、リラックスした気分や酩酊の心地よさ、人付き合いのツール、酒に伴う楽しい雰囲気などのために行われるが、いつしかそれが形骸化し、飲むことだけが目的になる。酒を飲まなければならないとの強迫観念に囚われ、不快なこ…

悪魔憑き

1.悪魔憑きとは 悪魔に憑依され、支配されているという幻覚・妄想のこと。悪魔体験に関連する病態を総称して悪魔症ともいう。ゼグラ(1895)によると、次の3つに分類される。 1.外的悪魔憑き 悪魔は外から嫌がらせをする(≒迫害不安) 2.内的悪魔憑き 悪…

MMPI(ミネソタ多面人格目録)

1.MMPI(Minnesota Multi phasic Personality Inventory:ミネソタ多面人格目録)とは MMPIは、ミネソタ大学のハサウェイとマッキンレイによって作成された心理検査である。オリジナルは566項目、日本版では550項目の質問から構成されている。質問項目は、…

MAS(顕在性不安尺度)

1.不安に関する2つの質問紙法 アイゼンクら(1985)は、特性とは、様々な状況を通じて行動を規則的・永続的に決定する要因であり、状態とは、ある特定のときに生じる要因であるという。 テイラー(1953)のMAS(顕在性不安尺度:Manifest Anxiety Scale)…

質問紙法

1.質問紙法の特徴 質問紙法とは、被験者(テストを受ける人)が、ある特定のテーマに関する質問項目に対して「はい」、「いいえ」、「どちらでもない」などで回答する心理検査のことである。アンケートのようなものだが、主にパーソナリティ全体をとらえよ…

2つの条件づけ

1.古典的条件づけと道具的条件づけ 条件づけには2つある。1つ目は、パブロフ型条件づけ、古典的条件づけ、レスポンデント条件づけといい、2つ目は、試行錯誤学習、道具的条件づけ、オペラント条件づけという。それぞれ条件づけられた行動は、1つ目は条件反…

森田療法

森田療法は、森田正馬(まさたけ)によって、森田神経症という特定のパーソナリティ傾向の強い人に対する治療として確立した心理療法である。その中心となる考え方に「あるがまま」がある。 森田神経症の人は、内向的で、自意識が強く、自分の身体変化に関心…

不安

恐怖は、それを喚起するはっきりとした外的な対象が存在する感情である。それに対して不安は、漠然とした怖れの感情である。とりとめもなく、どうにもならない困惑や焦燥そのものであるといえるかもしれない。K.ゴールドスティンは、破局的な状況が迫った際…

心理学用語集 好訴者とは

好訴者(こうそしゃ) もともと活動性の高さを背景に、権利侵害など何らかの屈辱的な出来事が引き金となり、その後の人生のすべてを訴訟と闘争に捧げようとする人のこと。独善的な正義感に基づいて、ひたすら告発・訴訟・闘争などを展開する。E.クレペリンは…

心理学用語集 無力者とは

無力者(むりょくしゃ) K.シュナイダーの精神病質人格類型の一つ。無力者は、自分自身のことを全く信じていないため、些細な身体の変化を過度に気にしやすく、結果、何かと気疲れしがちで、楽しみを感じることができない。身体的・心理的なストレスに敏感で…

心理学用語 敏感者とは

敏感者(びんかんしゃ) E.クレッチマーによると、敏感者とは、強い感受性を持つものの、感じ取ったものに縛られて適切に処理できない人である。また、無力感を抱く一方、高い理想自我を備えているため、罪悪感や屈辱感を抱きやすい。敏感関係妄想にまで発展…

様々なうつ病(うつ病の種類の続き)

1.心因性うつ病 心因性うつ病には、狭義の概念と広義の概念がある。狭義の概念は、もともとJ.ランゲが提唱したものである。J.ランゲは、内因性うつ病、反応性うつ病、心因性うつ病の3つに分けた。反応性うつ病は、抑うつに至るきっかけに遭ってうつ状態を…

心理学用語集 意志薄弱とは

意志薄弱(いしはくじゃく) 持続性がない上、環境の影響をやたら受けやすい傾向のこと。H.エミングハウスは、これは意思欠如と区別しようとしたが、今はほぼK.シュナイダーの意志欠如と同義として用いられ、これよりは軽い程度と見られている(意思欠如>意…

躁うつ病

1.躁うつ病 統合失調症と並ぶ二大内因性精神病の一つ。躁状態やうつ状態という感情の障害が、はっきりとした周期を持って出現し、通常、経過後に人格欠陥を残さずに完全な回復に至る。以前は感情病といわれ、その両極性に注目して循環精神病、循環病などと…