臨床心理学にいる

臨床心理学や犯罪心理学についてだらだらと書き綴るサイト。

防衛機制

1.防衛機制とは



 フロイトによって明らかにされた精神分析の中心的理論概念の一つ。主観的・意識的な安定を保つ無意識的な自我の働きを目的とする心理機制のことで、意識することによって、不安、不快、苦痛、罪悪感、恥などを体験するような情動や欲動を意識から追い払い、無意識化してしまう自我の働きである。不安から逃れ、心穏やかでいるために自動的に行われる。

 歴史的には、①ヒステリーの場合、抑圧、転換など、②強迫神経症の場合、隔離、反動形成、退行、やり直しなど、③恐怖症や妄想症の場合、これらに加えて投影、④うつ病の場合、取り入れ、同一化などの防衛機制が明らかにされた。

(1)原始的防衛機制

 クラインによって研究されたもので、0歳から2歳の乳幼児に見られる防衛機制のこと。分裂、投影、取り入れ、投影同一化、否認、理想化、躁的防衛などがある。