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分裂

1.分裂とは



 人間の発達過程で、抑圧が可能になるのはエディプス期(4~5歳)以降であるが、分裂は、1歳前後の乳児において活発に働く原始防衛機制の一つである。対象や自己それぞれについて、欲求充足的な側面(良い対象、和良い乳房)と攻撃的・欲求不満的な側面(悪い対象、悪い乳房)とを別の存在として認知する。

 分裂は、自己の分裂と対象の分裂の2つを含むことになり、自分の良い側面が、悪い側面に汚染され、破壊されるという被害的・妄想的な不安に対し、それぞれ別の存在と認知することによって防衛することを意味している。