臨床心理学にいる

臨床心理学や犯罪心理学についてだらだらと書き綴るサイト。

感情・気分・情動

本能

1.本能とは 本能とは、各種に固有な遺伝的・先天的に規定された内因性の行動傾向のこと。個体差は見られず、生得的なプログラムによって発現し、環境や学習に影響されずに一定の目標に向かう。生得性、固定性、種別性、不可逆性などを特徴とする。

アンヘドニア

1.アンヘドニアとは アンヘドニアとは快楽喪失のことで、快楽・喜びを感じられない状態を意味する。うつ病と統合失調症の両方において用いられるが、意味内容は多少異なる。 (1)うつ病 うつ病のアンヘドニアは、これまで楽しめていたことが楽しめなくなり…

興奮

1.興奮とは 急激に気持ちが高ぶり、押さえられなくなること。精神医学では、興奮状態を精神運動興奮といい、激しく統制できない運動が過剰に現れる状態をいう。このとき急激な情動や自律神経系の変化、覚醒水準や欲求の亢進、統制の低下などを伴う。

欲求

1.欲求 欲求は、渇き、飢え、眠気などが、現実の特定の働きによって緊張が緩和される生物学的な次元のものである。 (1)欲求不満 何らかの妨害によって欲求満足を阻止されている状態のこと。フラストレーションともいう。

愛情

1.愛情 フロイトは、「愛情とは対象の再発見である。」という。つまり、全ての愛情は幼児期の愛の再現といえる。なお、最初の愛は同一化として体験され、対象と自己との区別のつかない愛情の在り方から出発するとした。

気分

1.気分とは 気分は、精神生活を彩りながらある程度持続する感情状態のことである。意識に上ることのない気分の変化があり、今日はいい気分(→意欲は高まり、楽観的)となったり、今日は嫌な気分(→意欲は低下し、悲観的)となったりする。 (1)気分変調 気…

欲望

1.欲望とは 願望とも訳される。フロイトによれば、欲望とは、記憶に刻み込まれた肯定的な体験を再現しようとする試みであり、「夢は欲望の充足である。」という。欲望は欲求と要求の間に位置づけられるもので、現実的な満足感を得られるものではないが、か…

衝動

1.衝動とは 衝動とは、突然、行為や行動を触発されるような基本的な原動力をいう。この原動力はしばしば自覚されない。精神分析的には、衝動は本能に関係し、その源は身体過程に基づくとされる。なお、主体的な自我により意識されたり、体験されたりして意…

羨望

1.羨望とは 羨望とは、うらやましく思う気持ち。嫉妬が三者関係の中で競争者を排除し、自分が愛する対象を獲得したいという欲求から生じるものであるのに対し、羨望は二者関係で生じるもので、対象の持つものを自分のものにしたいという点で区別される。 対…

嫉妬

1.嫉妬とは 嫉妬は、少なくとも3者間系の中で自分のものだと感じていた愛情が奪われるか、奪われる可能性があると感じることである。自分以外の人が、望ましいものを我がものとし、それを楽しんでいることへの怒りの感情である羨望(2 者関係)とは区別され…

罪悪感

1.罪悪感とは 罪悪感とは、倫理、道徳、宗教的な戒律から非難されて当然と考えるような行為をしたときに生じる感情のことである。些細な過失や怠慢に基づく不合理な自責感のほかに、具体的な行為がないにもかかわらず、自分は無価値で罪深い人間であると思…

情動

1.情動とは 驚愕、激怒、喜び、恍惚、憎悪など、急激に生じる身体不随現象を伴う一過性の強い感情であり、身体変化として客観的にとらえることができる。情動の異常としては、情動不安定や情動失禁、情動麻痺、病的興奮などがある。ブロイラーのいう「情動…

感情

1.感情とは 感情は、心的機能の基本をなすもので、快・不快を中心に直接体験される能動的・受動的な自我状態のことをいう。何かに反応して急激に生じる一過性の強い感情を情動といい、逆に持続的で軽度な感情状態を気分という。 感情:能動的あるいは受動的…