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臨床心理学や犯罪心理学についてのあれこれ

心理学用語集 加害妄想


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加害妄想(かがいもうそう)

罪責妄想の一種。自分が他人や周囲に対して、実際には起こっていない不幸や災いをもたらしたと確信したり、現実の出来事や事件に対して自分がその原因であると思い込んだりする妄想のこと。主に統合失調症に見られ、自分が世界の中心で、周囲に影響を及ぼすと確信している点で誇大妄想的な要素を備えている。

統合失調症の罪責妄想として、被害的・受動的なベクトルを持つものとして「濡れ衣的罪責妄想」が指摘されてきたのが、その対極をなすのが独り歩き的・能動的なベクトルの「加害妄想」といえる。

快楽殺人


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1.快楽殺人

殺人で、その際に加害者が性的興奮を感じて、それを目的に犯行が行われる場合をいう。加害者は、性的に一時的あるいは持続的に不能であり、殺人がセックスの等価物に位置づけられる。ゼンフ(1911)は、①被害者を性的に破壊することによって性欲の満足感を獲得し、破壊行為がセックスの代償で、セックス自体は行われない典型的な例、②殺人や死体損壊が、性的な興奮を高める性欲過多の快楽殺人者、③加害者の苦悶を見て、性的に満足感を得る苦痛嗜愛的快楽殺人者の3つに分けた。

快楽殺人の場合、死体損壊を伴うことが多い。この場合の欲動構造として、性欲・支配欲・破壊欲動が相互に統合・融合している。比較的まれ(というか、絶滅危惧種)。

日本の場合は、内村による小平義雄、城による後藤三郎、小田らによる高橋正彦などの鑑定例が報告されている。


心理学用語集 回心とは


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回心(かいしん)

回心という言葉には、「向きを代える。」、「本来あるべきもとの状態に戻る。」という意味であるが、もともとは、自己中心的な生き方を悔い改めて(キリスト教の)神を中心とする生き方に鞍替えし、他者の必要性に使えるように根本から改めることとして用いられてきた。当然、回心は神の超越的な慈しみよってのみ可能になるされる。

回心は、聖パウロの回心のような一時的・劇的なものとされてきたが、最近では漸進的・持続的なものであると考えられている。

ちなみに聖パウロの回心とは、ユダヤ教の熱心な信者であったパウロが、キリスト者を徹底的に迫害してきたが、突然「なぜ、わたしを迫害するのか?」というキリストの声を聞き、回心したとされる出来事である。「主よどうすることをお望みですか?」と尋ね、キリストに従い、その望みを完全に果たしていくということを悟ったとされる。

もちろん、心理学の話ではない。