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MMPI(Minnesota Multi phasic Personality Inventory:ミネソタ多面人格目録)

MMPI




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1.MMPI(Minnesota Multi phasic Personality Inventory:ミネソタ多面人格目録)とは

MMPI(は、ミネソタ大学のハサウェイとマッキンレイによって作成された心理検査である。オリジナルは566項目、日本版では550項目の質問から構成されている。

質問項目は、当時の問診内容や医学的な教科書、各種の性格検査などから選ばれたもので、正常者群とそうでない群との間で項目分析を行い、有意差の認められた項目だけが集められている。もともとは、クレペリンによる精神病の分類をもとに、精神障害の種類と程度を把握するために作成されたものであるため、経験的にいけそうな質問項目が選ばれている。


2.特徴


基本的には「当てはまる」「当てはまらない」のどちらかを回答するが、どうしても決められない場合のみ「どちらでもない」を選択する(その際、10個以下にするように教示する)。

  • 回答様式:3件法
  • 項目数:550項目
  • 検査時間:90分程度、集団検査可能
  • 適応範囲:臨床方面が中心
  • 個人的なコメント:項目数が多いこともあって、途中でうんざりする検査。最後の方は面倒くさくなって適当に回答しがち。良くも悪くも、理論的な背景がない上、色々な指標がまんべんなく詰め込まれているという意味で、特盛幕の内弁当的な心理検査という印象を受ける(…自分としては)。


3.2つの尺度(妥当性尺度と臨床尺度)


MMPIは、人格特性を捉える臨床尺度と、被験者の意識的・無意識的な歪みを把握する妥当性尺度により構成されている。


4.4つの妥当性尺度



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妥当性尺度とは、被験者の回答が歪曲されていないかなどを見極め、補正するための尺度である。検査に対して、どのような取り組み態度であったのかを調べる。まず最初に妥当性尺度によってテスト態度が見られ、次にMMPIの中核である臨床尺度が検討されることになる。

(1)?尺度(The Question Score)

疑問点。「どちらでもない」と回答した数で、多いと信頼度が落ちる。防衛的か、優柔不断か。抑うつ状態などでも得点は高くなる。

(2)L尺度(The Lie Score)

虚構点。社会的望ましさを調べる尺度。良い格好しいかどうか。実際よりも自分をよく見せようとする傾向が反映される。ヒステリー性格の人はこの傾向をしばしば示す。

(3)F尺度(The Validity Score)

妥当点。通常では起こり得ないような内容に対して、「はい」と答える頻度を調べる。被験者の不注意、質問内容の理解不足、検査への非協力的な態度をチェックする。抑うつ状態や統合失調症などでも高くなる。

(4)K尺度(The K Score)

修正点。L点やF点と同様に検査態度を測定する尺度だが、他の妥当性尺度よりも微妙な内容を含み、独特な歪曲傾向を検出しようとする。また、診断上の精度を上げるため、各尺度の粗点にK点の粗点を適当な比率で加え、修正粗点とする。


5.10の臨床尺度


MMPIの質問項目は、精神医学的な病理群と健常群とを弁別できるかどうかによって選ばれている。その質問内容を病理内容別に分類したのが臨床尺度である。被験者には、どのようなパーソナリティの特徴(病理など)があるのかを明らかにする。

(1)第1尺度:心気症尺度(1,Hs)

些細な身体的・心理的な症状を意識し、過度の懸念と不安を持つ傾向を測定する指標。どうでもいいことを気にして、勝手に不安になるかどうか。高い場合は、直面する問題の解決方法が未熟で、そこから生じる不安が身体症状へと姿を変えて出現する。ヒステリー性格、ヒポコンドリー性格など。低い場合は、身体的・心理的なことに鈍感か、抑圧していることなどが想定される。

(2)第2尺度:抑うつ性尺度(2,D)

抑うつ状態を測定する指標。何かと鬱々しやすいかどうか。高い場合は、活動水準が低下し、やる気がなく、心配性で、自信がない。興味関心の幅も狭い。また、D尺度は、Hs尺度やHy尺度とともに、神経症的反応傾向の選別にも用いられる。

(3)第3尺度:ヒステリー尺度(3,Hy)

ヒステリー性格を測定する指標。高い場合は、精神的に行き詰まりを感じると逃げ出し、無意識のうちに身体症状に転換する。未成熟で、欲求不満耐性が低い。性格的には、社交的で、明るく朗らかだが、心配性で、派手好き、見栄っ張り、自由気まま、思い込みやすいという特徴を持つ。

(4)第4尺度:精神病質的偏奇(4,Pd)

無責任て自分勝手、反社会的な行動に走りやすい傾向を測定する指標。快楽原則に従い、現実に踏みとどまることができない。高い場合は、情緒的な反応性に欠き、思いやりがなく、治療も続きにくい。反社会的な行動に走るだけでなく、病的な興奮や抑うつ状態にも突入したがる。

(5)第5尺度:性度尺度(5,Mf)

興味がどの程度男性的か、女性的かを測定する指標。男性が高い場合、感受性が強く、理想主義的で、対人関係では依存的・受動的な傾向が強い。低い場合は、自然科学やスポーツに興味を持つ。女性の場合は、男性の高低と逆のことがいえる。

(6)第6尺度:パラノイア尺度(6,Pa)

疑り深く、敵意を向けがち。過度の感受性と勘ぐり、猜疑的傾向を測定する指標。極端に高い場合は、過度に敏感で、猜疑的で、関係妄想・被害妄想・好訴妄想などに結びつきやすい。性格的には、悩みが多く、敏感、自信がなく、感情的で、依存的といえる。

(7)第7尺度:精神衰弱尺度(7,Pt)

不安、恐怖、強迫観念を測定する指標。高い場合は、軽度の抑うつ、過度の悩み、自信欠如、注意散漫、強迫的などが想定される。

(8)第8尺度:統合失調症尺度(8,Sc)

自閉的あるいは偏奇した思考や行動を測定する指標。主観的で、自分だけの世界に閉じこもりがちになり、現実世界から引きこもる。そのため、特異なことへの関心や協調性の乏しさ、疎通性のなさなどが特徴とされる。

(9)第9尺度:軽躁性尺度(9,Ma)

落ち着きがなくて衝動的など、活動水準の高さを測定する指標。高い場合は、多弁、社交的、衝動的、落ち着きがない。魅力的であるが、まとまりに欠け、注意散漫で、傍若無人で、自己中心であることも。

(10)第0尺度:社会的向性尺度(0,Si)

もともと臨床尺度に含まれていなかったが、一般的に使用されることとなったためコード0とされ、基礎的な尺度に加えられた。高い場合は、内気、無口、引っ込み思案などの内向性を示し、低い場合は、社交的、活動的、野心的などの外向性を示す。


6.解釈方法


妥当性尺度によって被験者のプロフィールに示される特徴の信頼度を確かめた後、臨床尺度のプロフィールパターンから人格特性を推測する。その後、それぞれの項目に対する回答の独自性や、過去の資料、生活史などの情報から人格像を見立てることになる。

プロフィールパターンには、以下の種類がある。

  • 逆V字型:急性の精神病などの可能性。
  • 転換V:身体表現性障害の可能性。
  • 精神病V:統合失調症や妄想性障害の可能性。
  • スカーレットオハラV:他者を誘惑して振り回す傾向。
  • 2数字コードタイプ:2つの高得点尺度の特徴から解釈する。3文字や4文字コードタイプも存在する。
  • 境界性人格障害の可能性:臨床尺度全体が70点以上は境界性人格障害が疑われる。


7.補足


質問項目が多すぎて時間がかかる。質問内容が古い。各臨床尺度別では診断の妥当性が低いなど、心理測定学的に信頼性・妥当性への疑問が残されている。


MAS(顕在性不安尺度、Manifest Anxiety Scale)

MAS




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1.不安に関する2つの質問紙法


アイゼンクら(1985)は、特性とは、様々な状況を通じて行動を規則的・永続的に決定する要因であり、状態とは、ある特定のときに生じる要因であるという。 テイラー(1953)のMAS(顕在性不安尺度)は、永続的な不安(特性不安)を測定するために考案された質問紙である。しかし、キャッテルらは、不安は何らかの嫌な出来事をきっかけに生じた一時的な状態でもあるため、特性不安だけでなく状態不安も加えるべきとしててSTAI(状態ー特性不安尺度、State-Trait Anxiety Inventory)という質問紙を開発した。STAIは、MASの上位互換といえるかもしれない。


2.MAS(顕在性不安尺度)


MASは、日常生活の中でその人が意識している特性不安を測定する検査である。テーラーは、MMPIの中から50項目を選び出してMASを作成した。MMPIの追加尺度であるが、独立した検査として用いることが多い。オリジナルは275項目であるが、日本版では妥当性尺度のL尺度15項目を加えた65項目で構成されている。

良くも悪くも、意識している不安、意識できている不安しか測定できないのが特徴であるため(単独で用いにくく)、ロールシャッハテストなどの投影法とテストバッテリーすることが求められる。

なお、児童用にA.カスタネーダとB.S.マッキャンドレスによって考案されたCMAS(児童用不安測定尺度)がある。


質問紙法

質問紙法



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1.質問紙法の特徴


質問紙法は、被験者(テストを受ける人)が、ある特定のテーマに関する質問項目に、「はい」、「いいえ」、「どちらでもない」などで回答する心理検査のことである。アンケートのようなものだが、主にパーソナリティをとらえようとするものと、不安などの一部のパーソナリティをとらえようとするものに分けられる。

自分の行動や意見を記述することができる場合、質問紙法や面接法は有効な手段である。 質問紙法や面接法は、被験者の言葉を信頼するという点で同じであるが、質問紙法では被験者自身が質問を読み、回答する(自記式)のに対し、面接法では被験者に直接つ質問を行い、回答を面接者が記入する(他記式)ことになる。そのため、質問紙で得られる情報は、被験者の記述した回答のみに限られる。


2.質問紙法の長所と短所


(1)長所

  • 施行や結果の整理が簡単である。コスパが良い。
  • 実施者の負担が少ない。
  • 時間がそれほどかからない。
  • 集団でもできる。
  • 統計的・客観的なデータが得られる。
  • 解釈が簡単。誰でもできる。

(2)短所

  • 被験者が適当に回答すると、適当な結果しか得られない。虚偽や社会的望ましさの影響を受けやすい。
  • 浅い。無意識はわからない。
  • 検査する状況をコントロールしにくい。
  • 質問紙以外の情報は基本的にスルー。行動過程は記録できない。
  • 問われている内容に沿った回答しかできない
  • 被験者の言語能力に依存する(→幼児や高齢者に不向き)


3.質問紙法の種類


(1)パーソナリティをとらえようとする質問紙法

  • MMPI
  • 矢田部ギルフォード(YG)性格検査
  • MPI
  • NER-PI-R
  • 向性検査
  • エゴグラム
  • EPPS など

(2)一部分を限定的にとらえようとする質問紙法

  • MAS:不安
  • STAI:不安
  • CMI:身体・精神症状
  • SDS:うつ症状
  • BDI:抑うつの程度 など