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パーソナリティ障害の本質

1.パーソナリティ障害とは



 松木(2016)は、パーソナリティ障害について下記のように述べる。

 パーソナリティ障害は、行動の病である。その人の心に抱かれた不安や悲しみ、苦悩、葛藤をこころに置いておき、それに持ちこたえてその含みを考え続けることをやめ、行動、行為によってそれらをこころから能動的に排出してしまおうとする在り方である。その心的排出行為は、身体的な行為として達成される。ここにその苦痛に蓋をし、上書きするための強い快感獲得行動が持ち込まれるなら、明確なこころの倒錯が生じる。たとえば、アルコールや薬物の嗜癖、性倒錯、性的乱脈というパーソナリティの病理行動においでは、こころの苦しみ、悲哀、不安を薬物や性的興奮の強度の快感をもたらす行為で霧散させてしまう。

 「こころに出会う」より。