臨床心理学にいる

臨床心理学や犯罪心理学についてだらだらと書き綴るサイト。

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

意識

1.意識とは 意識とは、自分の状態と周囲の状態を知っていること、それに気づいていることである。英語、フランス語ともにラテン語のcum(ともに)とscius (scireの過去分詞、知った)から合成されたconscius を語源とする。ラテン語自体にも、ともに知ると…

意志

1.意志とは 意志とは、ある行動を選択・実行することである。動因、動機、欲求などの行動を引き起こす内的な状態とほぼ同じ意味で用いられ、何かをしよう、何かをしたいという気持ちを表す。「意志」→「動因・動機・欲求」という流れ。 精神医学では、意志…

愛着

愛着(あいちゃく) 他の人と「情緒的に結びつきたい!」という欲求のこと。

アルコール中毒

1.アルコール中毒の特徴 アルコール中毒は、ICD-10 やDSM-5 において急性中毒のみに用いられる用語である。通常の酩酊状態とは異なり、意識水準、認知、知覚、感情、行動などに一過性の障害が生じる。「複雑酩酊」や「病的酩酊」に相当する状態である。 (1…

アルコール精神病

1.アルコール精神病の定義 実際のところ、アルコール精神病に定義はなく、アルコール依存に関連して生じる神経・精神障害の総称である。何でもあり。 (2)アルコール幻覚症 アルコール精神病の一つ(下位カテゴリー)で、アルコール依存症の人が多量の飲酒…

アルコール依存症

1.アルコール依存症の特徴 アルコールは、リラックスした気分や酩酊の心地よさ、人付き合いのツール、酒に伴う楽しい雰囲気などのために行われるが、いつしかそれが形骸化し、飲むことだけが目的になる。酒を飲まなければならないとの強迫観念に囚われ、不…

フェティシズム

1.フェティシズムの意味 母子関係に重大な問題があると、幼児は母親や移行対象によって自分自身を慰めることができず、「安心できるほどの強固な、たわまない、形の変わらない、信頼できるほど丈夫な」ものを必要とする。そうすることで、自分の身体を自分…

サディズムとマゾヒズム

1.サディズムの意味 サディズムとは、子ども時代の外傷体験を他人に強制することによって、復讐とともに克服した感覚を得ようとする試みである。自分が身体的・性的な虐待にあった小児期のシナリオを無意識的に再現させようとしていることが多い。 2.マゾ…

のぞき

1.のぞきの特徴 のぞきには、女性に対して秘密裏に攻撃し、征服したいとの願望が含まれている。 子どもが両親のセックスを目撃したり、立ち聞きしたりした際、去勢不安を引き起こし、受動的に体験した外傷体験を能動的に克服する試みとして、その行為を繰り…

公然わいせつ

1.公然わいせつの意味 自分の性器を見知らぬ女性や女児に見せつけることによって、自分自身が去勢されていないことを確認しようとする。被害者の不安と驚きは、去勢不安を癒やし、女性を支配する感覚をもたらす。その際、自分は価値のある男性としての感覚…

色々なうつ病

1.色々なうつ病 うつ病とされるものはたくさんある。使われている「うつ病」もあれば、すでに使われなくなった「うつ病」もある。 (1)心因性うつ病 心因性うつ病には、狭義の概念と広義の概念がある。狭義の概念は、もともとJ.ランゲが提唱したもので、①…

躁うつ病@気分障害

1.躁うつ病とは 躁うつ病は、統合失調症と並ぶ二大内因性精神病の一つである。躁状態やうつ状態という感情の障害が、はっきりとした周期を持って出現し、通常、経過後に人格欠陥を残さずに完全な回復に至る。以前は感情病といわれ、その両極性に注目して循…

うつ病@気分障害

1.うつ病 古代からメランコリーという名で知られている状態であり、うつ病の語源(depression)は、ラテン語のdepremere(抑える、低下される)である。もともとは、精神機能の減少や障害を表す概念として用いられた。E.クレペリンは、このうつ病を悲哀不安…

気分障害

1.気分障害の成り立ち 気分障害とは、従来の抑うつ神経症や躁うつ病、情動性人格異常など、抑うつや気分の高揚などの気分変化を主とするカテゴリーの総称として、1987年にDSM-Ⅲ-Rで用いられた疾病分類である。後にICD-10においても採用されることになった。…

統合失調症

1.はじめに 統合失調症は、発生頻度の高さ、病像の特異性、治療上の困難さなどから最も重視すべき病気である。にもかかわらず、身体的基盤については今のところ確実な知見が得られていない。その診断はもっぱら精神症状と経過を観察することによって行われ…

抗躁薬@気分安定薬

1.抗躁薬の特徴 抗躁薬とは気分安定化薬とも呼ばれ、躁病や双極性障害(躁うつ病)の躁状態に対して効果のある薬のことである。 躁病や双極性障害の症状がエスカレートすると、多額の金銭を浪費したり、万引したり、大言壮語したり、他人に横柄な態度を取っ…

抗不安薬@気分安定薬

1.抗不安薬の特徴 抗不安薬は、不安、緊張といった症状を緩和させる作用を持った向精神薬の一種である。統合失調症などに使用されるメジャートランキライザー(抗精神病薬)に比べて穏やかな作用を持つことから、抗不安薬はマイナートランキライザー(精神…