1.アルコール中毒の特徴
アルコール中毒は、ICD-10 やDSM-5 において急性中毒のみに用いられる用語である。通常の酩酊状態とは異なり、意識水準、認知、知覚、感情、行動などに一過性の障害が生じる。「複雑酩酊」や「病的酩酊」に相当する状態である。
(1)単純酩酊
普通酩酊ともいわれ、病的な状態は見られない。
(2)複雑酩酊
量的に異常な酩酊で、興奮し、暴行・傷害に至ることが多い。その行為は周囲の状況から了解できる。酒癖が悪い場合はたいていコレに該当する。
(3)病的酩酊
質的に異常な酩酊で、精神病的酩酊ともいわれる。その行為は無差別・盲目的で、周囲の状況から了解できない。