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自殺

1.自殺とは



(1)アノミー

 デュルケムは、「自殺論」において、自殺の原因は個の要因よりも、まず社会的要因こそが重要であると述べた。社会には一定の自殺を引き起こす傾向があり、それは個人の動機からというよりは、社会的原因に大きく依存しているという学説である。そして、自殺を①自己本位的自殺、②集団本位的自殺、③アノミー的自殺、④宿命的自殺に分けた。

(2)群発自殺

 群発自殺とは、自殺や自殺企図が、特定の地域においていつも以上に時間的・空間的に隣接して起きる現象である。とはいえ、これといった明確な基準はない。もともと18世紀末にゲーテの「若きウェルテルの悩み」が出版された後、ヨーロッパ各国で小説の主人公と同じ服装をして、同じ方法で自殺するものが相次いだことにちなみ、ウェルテル効果ともいわれている。