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気分

1.気分とは



 気分は、精神生活を彩りながらある程度持続する感情状態のことである。意識に上ることのない気分の変化があり、今日はいい気分(→意欲は高まり、楽観的)となったり、今日は嫌な気分(→意欲は低下し、悲観的)となったりする。

(1)気分変調

                               気分はある期間持続する感情状態であるが、気分変調は、正常な気分から偏って正しくない状態とされる。うつ病における抑うつ気分、躁病に見られる易怒的気分がこれにあたる。不機嫌、不平不満を持続的な特徴とする性格の場合、気分変調は恒常的に精神生活を彩ることになる。

(2)気分高揚

 快活な気分だが、躁病ほどではない。活発で活動性が高く、自制が利かない。軽躁病と同義語と使われることが多い。

2.気分障害

 遺伝的、生物学的な要因が最も強く影響している障害である。単極性うつ病の原因の約40 %が遺伝子、60 %が環境と理解されている。従来の躁うつ病や抑うつ神経症など、気分の高揚や抑うつへの気分変化を主な特徴とするカテゴリーの総称(感情障害など)として用いられてきたが、全般的・持続的な情動の変化を指すには「気分」の方がいいとのことで気分障害という名称が採用されることになった。

(1)妄想気分

 周囲のすべてが新たな意味を帯び、不気味で、何かが起ころうとしている体験のことである。「妄想観念なき妄想」ともいわれ、統合失調症の初期に出現することが多い。

(2)狂気

 気が狂っていることなどで、精神病一般を刺して使われた概念であるが、現在、学問的には姿を消している。