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精神障害

1.精神障害とは



 精神障害とは、精神病を含めて、平均からある程度偏った精神状態の全てを包括する上位概念である。ただし、その輪郭は漠然としており、諸国あるいは学派によって異なった内容を持つ。

2.精神障害に特徴的な症状

(1)欠陥

 身体機能や精神機能に持続的で、非可逆的な喪失が起こった場合、欠陥という。知的な面での欠陥は認知症と知的障害であり、精神医学では統合失調症に用いられることが多い。

(2)荒廃

 精神障害の末期的な精神荒廃状態を指すが、通常は統合失調症に限定ぎれた用語となっている。統合失調症の荒廃は、周囲との交流をなくし、あらゆることに無関心となり、無欲ではなく無為な生活を送る。

(3)精神錯乱

 思考障害を中心に、論理と脈絡を欠いた不明確な思考が現れる場合をいう。意識障害があるときもあれば、ないときもある。統合失調症の滅裂性錯乱や躁病の錯乱躁病、脳の器質性・中毒性の錯乱などがあるが、多いのは非定型内因性精神病に現れる状態である。急激な意識の解体を背景に、思考滅裂、夢幻様思考、外界知覚の混乱、せん妄、幻覚、見当識障害、精神運動性の興奮や寡動、不安焦燥などが現れ、これを急性錯乱という。