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嫉妬

1.嫉妬とは



 嫉妬は、少なくとも3者間系の中で自分のものだと感じていた愛情が奪われるか、奪われる可能性があると感じることである。自分以外の人が、望ましいものを我がものとし、それを楽しんでいることへの怒りの感情である羨望(2 者関係)とは区別される。

 フロイトによると嫉妬は三層に分けられるという。一層目は、正常な嫉妬であり、愛情対象の喪失という考えによって引き起こされた苦痛や自己愛的な傷つき、競争者に対する敵意などである。異性愛、同性愛に根ざし、正常であるが合理的ではない。二層目は、投影された嫉妬であり、抑圧された衝動を軽減するために無意識的に投影することで良心の呵責から逃れようとするものである。三層目は、妄想的な嫉妬である。

 嫉妬は、良い対象を自分から奪った悪い対象だから攻撃するのであって、良い対象そのものを損なおうとするものではない。良い対象を奪回したいだけで、良いものそのものを破壊する羨望とはその点が異なる。