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好訴者

1.好訴者(こうそしゃ)



 好訴者とは、もともと活動性の高さを背景に、権利侵害など何らかの屈辱的な出来事が引き金となり、その後の人生のすべてを訴訟と闘争に捧げようとする人のことである。独善的な正義感に基づいて、ひたすら告発・訴訟・闘争などを展開する。E.クレペリンは、本物の好訴者と仮性の好訴者(抗争者)を区別し、E.クレッチマーは好訴者を増長した誇大性ととらえた。

 好訴者は、通常、精神病質的な人格の延長にあると位置づけられており、統合失調症や躁病、妄想性障害などが時折示す好訴性は「症候性好訴妄想」として区別される。

 奪われ、傷つけられた現実に理不尽さと被害感を強めて、その払しょくを求め続けている。それによって、屈辱的な出来事とそれによって生じた無力で、惨めな自分自身は巧妙に隠されることになるが、逆にそこから動けなくなる状況を自ら作り出しているといえよう。