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パーソナリティとパーソナリティ障害

1.パ ーソナリティ(人格)とは



 心理的・身体的な個性を、パーソナリティという。パーソナリティはラテン語のペルソナに由来し、もともとは劇などに使われた仮面の意味であったが、その徐々に変化していった。キケロは、①実際にはそうではないが、他人にはそう見えているもの、②人がその人生において演じる役割、③人の持っている性質の集合体、④区別と威厳などに分け、今日使われているパーソナリティはそのうちのどれかから分かれてきたものである。

2.パーソナリティ障害とは

 松木(2016)は、下記の文献においてパーソナリティ障害について次のように述べている。



 パーソナリティ障害は、行動の病である。その人の心に抱かれた不安や悲しみ、苦悩、葛藤をこころに置いておき、それに持ちこたえてその含みを考え続けることをやめ、行動、行為によってそれらをこころから能動的に排出してしまおうとする在り方である。その心的排出行為は、身体的な行為として達成される。ここにその苦痛に蓋をし、上書きするための強い快感獲得行動が持ち込まれるなら、明確なこころ の倒錯が生じる。たとえば、アルコールや薬物の嗜癖、性倒錯、性的乱脈というパーソナリティの病理行動においでは、こころの苦しみ、悲哀、不安を薬物や性的興奮の強度の快感をもたらす行為で霧散させてしまう。

と。