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葦原将軍

1.葦原将軍とは



 本名、葦原金治郎(あしはらきんじろう、1850~1937)

 明治時代から昭和初期にかけて有名だった「狂人」の代表的人物。金沢県に生まれ、明治維新後に江戸に出て、本人は埼玉県深谷の櫛屋に引き取られた。24 歳頃に血統妄想や誇大妄想様な発言をするようになり、妄想に伴う暴力犯罪や宮城付近の徘徊などで何度か受刑した後、1882 年(明治15 年)、天皇への直訴を試みて1882年から死去まで、途中脱走退院もあったものの、東京府癲狂院、東京府巣鴨病院、東京府立松沢病院に収容されていた。

 病名は、統合失調症、進行麻痺(いわゆる脳梅毒)、蜑|生躁病など諸説ある。葦原将軍と呼ばれたのは、自らを将軍と名乗り、コートを改造した軍服を着て、張りぼての大砲などをもって喜んでいたためであり、日露戦争と歩調を合わせるように妄想はエスカレートしていった。