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家族ロマンス

1.家族ロマンスとは



 本当は「自分は捨て子だった。」、「自分の両親は本当の両親ではなく、自分は高貴な生まれだった。」といった両親との間柄について抱く空想について、フロイトが名付けた呼び名。フロイトは、ランクの「神話と英雄の誕生」(1909)の中で記述された「家族ロマンスと神経症者」という論文の中で、その空想はエディプス・コンプレックスの影響を受けていると論じた。つまり、両親を否定したい衝動、自分を誇大視したい願望、近親相姦願望の壁をうまくすり抜けようとする企てや同胞葛藤など、様々な動機によって形成されるとした。この空想は、幼児期のみならず、血統妄想や家族妄想にもつながっていくことになる。