臨床心理学にいる

臨床心理学や犯罪心理学についてだらだらと書き綴るサイト。

機会犯罪者

1.機会犯罪者(きかいはんざいしゃ)



 ワークベルクによって提唱された概念。目の前のせつな的な誘惑に魅せられて犯罪に及ぶものをいう。激情犯罪者、偶発犯罪者と並んでF.V.リストのいう瞬間犯罪者に属するが、情緒的な興奮がほとんどない点で激情犯罪者と異なり、過失によるものではない点で偶発犯罪者とは異なる。その特徴は、考えが浅く、誘惑に負けがちなことである。

 F.エクスナーは、さらに能動的機会犯罪者と受動的機会犯罪者に分けた。

A.能動的機会犯罪者

 機会的状況を利用して積極的に犯罪に及ぶもの。これ幸いと調子に乗って手を出す。

B.受動的機会犯罪者

 犯罪性はそれ程ではないものの誘惑に抵抗できず、目の前の金銭などに手を付けるもの。意志薄弱で無責任。E.ゼーリッヒが指摘する抵抗力薄弱による財産犯や社会的スキルの乏しい犯罪者などもこれに該当する。