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幻覚剤型@依存性薬物

1.幻覚剤型薬物の特徴



中枢作用:興奮
精神依存:+-
身体依存:-
耐  性:+

 代表的なものは、LSD、メスカリンなど。LSDは現在知られている向精神物質の中で最も強力なものの1つで、極めて微量でもその効果を発揮する。体内での吸収率は100%と非常に高い。

2.LSDの特徴

 LSDことリゼルグ酸ジエチルアミドは、1938年にアルバート・ホフマン博士によって開発された半合成の幻覚剤である。当時ライ麦に寄生する麦角の研究に携わっており、その麦角に含まれるリゼルグ酸から誘導体であるリゼルグ酸ジエチルアミドを合成した。LSDは、経口で服用すれば10分後には体内濃度が最高潮に達する。作用の発現には1~2時間程度かかり、7~8時間継続する。

 LSDは非常に耐性の形成が早く、3日の連続使用でほぼ効果を失ってしまう。これは肉体的依存が形成されにくいことを意味しており、事実LSDの依存性や離脱症状はほとんど存在しない(その一方、錯乱による死亡事故は多い)。

 LSDの幻覚作用は主に視覚の変容といわれている。物質が巨大化したり、矮小化したり、キラキラと周囲に光りを発したり、曲がったり、動いたり、波打ったりする。同時に時間や空間の変容が生じる。数分が数時間に感じられたり、数メートル歩いただけで数キロも歩いたような感覚に襲われる。さらに離人感や共感覚が生じることもある。