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ビッグ・ファイブ


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1.ビッグ・ファイブ ビッグ・ファイブ(Big five)は、パーソナリティ特性論の1つの主要な考え方である。5つの特性・次元でパーソナリティを包括的に説明できるというもので、1980年以降注目されるようになった。

5つの次元とは、
1.Openness to experience(経験への開放性)
多彩な、頭の回転が早い、美的感覚の鋭い、飲み込み早い、効率が良いなど。

2.Conscientiousness(誠実性)
勤勉な、誠実な、几帳面など。

3.Extraversion(外向性)
話好き、積極的、活動的、陽気など。

4.Agreeableness(調和性)
温和な、寛大な、やさしい、親切な、有効的など。

5.Neuroticism(神経症傾向)
心配性的、不安になりやすい、悩みがち、動揺しやすい、びくびくしやすいなど。

とされる。ビッグ・ファイブの成立した背景には2つの流れがある。

1つ目は、「語彙アプローチ」で、言葉を分類することによって特性を見出そうとするものである。個人差は言葉に表されるという考え方があり、オルポートやオバーらによる心理辞書的研究にさかのぼる。以後、キャッテルらがその言葉を因子分析することによって基本的な特性を見出す研究に続き、1980年代のゴールドバーグの研究に至るまで5因子構造が繰り返し報告されるようになった。

2つ目は、「質問紙アプローチ」で、理論や仮説に基づいてパーソナリティの特性を構成し、その特性に関するデータから確認しようとするものである。1960年年代になると、個別に開発された尺度をまとめ上げ、共通する因子を見出そうとする動きが現れた。アイゼンクによる「内向性ー外向性」と「神経症的傾向」という2つの因子(後に「精神病質傾向」を入れて3次元にした)が広く確認されたのもこの頃である。その後、より包括的な特性を探索する中で、実証的なアプローチからも5因子でパーソナリティの説明ができることが明らかになり、ビッグ・ファイブという考え方が一般的になった。現在は、マックレーとコスタの5因子モデルに収束されつつある。

特性論は、無理に少数のタイプに分類せず、個々の特徴を性格に測定できる一方、その人の性格の全体像をとらえることができず、寄せ木細工的な印象を与えることになる。

結局、どういう性格なのかわかりづらい。