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臨床心理学や犯罪心理学についてのあれこれ

アルコール妄想症


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1.アルコール妄想症

アルコール妄想症とは、アルコール依存症に見られる慢性妄想のことである。慢性妄想は、①解釈妄想と②幻覚妄想に分けられる。

(1)解釈妄想

解釈妄想は、出来事に対する妄想的な解釈で、アルコールの場合は特定の対象にのみ妄想が生じる嫉妬妄想の形を取ることが多い。嫉妬に関連した言動以外に、問題はほとんど生じない。クラフト・エービングは、アルコールは性衝動を高める一方、性機能を低下させるために性的な満足感を得られず、それが嫉妬につながり、配偶者との不仲やセックスレスが続くと病的な嫉妬に発展するという。

(2)幻覚妄想

幻覚妄想は、クレペリンが「飲酒者の幻覚性妄想症」と述べたもので、幻視や幻聴はあるものの、幻聴の内容に反応的に行動することはない。妄想は嫉妬がテーマであるが、それ以外のものも生じる。