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森田療法


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森田療法は、森田正馬(まさたけ)によって、森田神経症という特定のパーソナリティ傾向の強い人に対する治療として確立した心理療法である。その中心となる考え方に「あるがまま」がある。

森田神経症の人は、内向的で、自意識が強く、自分の身体変化に関心を持ち過ぎる傾向(=ヒポコンドリー性基調)がある。その一方で、負けず嫌いで、うぬぼれが強く、人に見られたい気持ちも強いため、考えや悩みが悪循環的に反復されやすく、いつの間にかに自分自身に囚われることになる。その結果、「過度に一つのことに注意を向けると、その感覚が敏感になり過ぎて、身動きが取れなくなる」という精神交互作用を形成することになる。

森田療法の基本となる考え方は、この精神交互作用を打ち切り、その人の本来持っている健康な力、生の欲望を引き出すことにある。つまり、内にある不安に逆らわず、不安をあるがままに受け入れ、より良くなりたいという「生の欲望」に従って行動していくことを体得させることといえる。

森田療法の基本は、40日間の入院療法である。最初の1週間は絶対臥褥(がじょく)と呼ばれ、ベッドに寝たりきりで、食事やトイレ以外にベッドを離れることは許されず、読書や会話も禁止される。ひたすら自分の悩みだけを考えることが求められる。1週間が過ぎる頃には、退屈感が強くなり、何か行動をしたいという「生の欲望」に気付けるようになる。その後、軽作業期、重い作業期、複雑な実生活を送る時期と段階的に生活を広げていく中で、不安を不安として受け入れ、気分に左右されずに生活できるように指導が行われるのである。

なお、森田正馬は、慈恵会医科大学精神科初代教授であったこともあり、東京慈恵会医科大学のホームページにも森田療法の解説が書かれている。

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