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不安とは

不安



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恐怖は、それを喚起するはっきりとした外的な対象が存在する感情である。その一方、不安は、漠然とした怖れの感情である。とりとめもなく、どうにもならない困惑や焦燥そのものであるといえるかもしれない。K.ゴールドスティンは、破局的な状況が迫った際、人が味わう主観的な体験と定義している。不安は多少とも身体的表出を伴い、動悸、発汗などから瞳孔拡大に至るさまざまな自律神経症状を呈する。

不安は、人間にとって避けることのできない心理的な現象であり、自分を守るために必要なシグナルとして有効であるが、これが過剰になり、止めどなく溢れ出すようになると病的不安と呼ばれるようになる。病的不安は、重いうつ状態に現れる焦燥型の不安や不安神経症にみられるパニック障害、欲求不満や内的葛藤から生じる心理的な水準の不安まで幅広い。

神経症と不安との関係を追求し、不安を神経症の中心と位置づけたのはS.フロイトである。以降、神経症は不安を回避するために作られた過剰な防衛機制に由来すると説明されることになる。

春日(2018)は、不安について、人間における根源的な無力感や絶望感が無意識の領域からただよい出た際の、その独特な感触に対する呼称と考えても良いかもしれないと述べる。


私家版 精神医学事典

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  • 作者:春日武彦
  • 発売日: 2017/08/22
  • メディア: 単行本