臨床心理学にいる

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うつ病の種類とうつ病仮説

1.うつ病の種類



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(1)症状によるうつ病の種類

  • メランコリー型重症のうつ病の一つ。ほとんどすべての活動で喜びが全く感じられなくなる。早朝覚醒、過度の焦燥または気力の減退、食欲不振または体重減少、過度の罪悪感などの症状が見られる。

  • 緊張病性:全く動かず硬直して見えたり、神がかりになったように見えたりする。

  • 二重型:長期にわたる軽度の慢性うつ症状が続いた後、大うつ病エピソードが始まる。新たなうつ病が加わったのか、単にうつ病が悪化したのかは、はっきりしていない。

  • 焦燥型:落ち着いていられない。不安を伴ううつ病の重症の型か、単極性と双極性の「混合性」と考えられる。

  • 非定型(新型うつ病):従来型うつ病は、自罰的で、楽しんだり面白がったりする意欲が失われるが、新型うつ病は、他罰的で、嫌な場面から逃れさえすれば好きなことを満喫することができる。非定形うつ病、逃避型抑うつ、退去神経症、未熟型うつ病、恐怖症型うつ病、ディスチミア親和型うつ病など、ほぼ同じ概念のうつ病は多数報告されている。

  • 精神病性現実検討識が失われたうつ病。幻覚が生じ、死んだ方がよいという声が聞こえる。身体が腐るといった妄想が生じる。自殺の危険性が高く、統合失調症と誤診されることもある。

  • 統合失調感情障害(分裂感情障害):統合失調症と気分障害の症状が合わさったもの。現在は気分障害に分類するのが適当と考えられている。

  • 偽単極性:軽躁病エピソードがないにもかかわらず、双極性障害の特徴を示すうつ病。単極性のうつ病と誤診して抗うつ薬を処方すると、軽躁病エピソードや急速交代型の障害を生み出す。

(2)発症時期によるうつ病の種類

  • 産後のうつ(PPT):出産後3~6か月の間に現れる大うつ病エピソード。家族の支えがなかったり、家庭内に問題があったりすると、産後のうつになる可能性が高まる。

  • 季節型情動障害(SAD):気分障害の中でも季節により変動するうつ病。10~1月に非定形型のうつ症状を発症し、3~4月になると気分が改善し始め、夏には軽躁状態になる。冬眠と同じパターン。

  • 月経前不快気分障害(PMDD):女性の約5%は、月経の1~2周間前に不機嫌さや緊張、いら立ちが見られる。

  • 更年期うつ病:退行期うつ病とも呼ばれるが、この診断は今使われていない。もともと根拠がないっぽい。

(3)うつと躁に伴う様々な障害

うつ病や双極性障害が単独で起こることは稀である。特に双極性障害は少なくとも他に1つは精神疾患を伴う。

  • 物質乱用:双極性障害とアルコールや薬物との乱用は広く見られる。アルコールが焦燥感を和らげ、覚醒剤などが多幸感を維持し、強化してくれる。物質乱用で、やめようとしてもうまくいかない人については、気分障害が隠れているのかもしれない。

  • 摂食障害:摂食障害には、神経性無食欲症(拒食症)と大食症(過食症)、むちゃ食い障害がある。うつ病になって、それから大食症になり(食事しているときは、不安を感じないため)、さらに無食欲症と大食症の混ざった症状になるケースも多い。

  • 不安障害・パニック障害:不安を訴えて診察を求める人は、ほぼ全員何らかの気分障害を抱えている。不安がうつ病の初期症状であり、うつ病の約60%は不安症状を示す。パニックも同様。

  • 強迫性障害:自分では考えるつもりがないのに、どうしても頭の中からいなくならない思考を強迫観念という。強迫観念は、多くの場合、不快でおせっかいなものとして受け取られる。また、理屈に合わない行動を繰り返そうとする衝動を強迫欲動という。強迫欲動を行動に移さずに入ると、不安が増す。もともと強迫性障害(OCD)には、気分障害が伴うことが多い。

  • 補足・双極性障害とADHD。実は遺伝的に共通する部分が多く、見分けが難しい。どちらも怒りっぽく(双極性障害の方が暴力的なかんしゃくを起こしやすい)、動きが止まらず、衝動的で、注意散漫になる。双極性障害とADHDの両方になることもある。双極性障害は、エピソード的あるいは循環的な性質を示すのに対し、ADHDは継続的、慢性的な経過を示すが、思春期前の区別はほぼできない。


2.うつ病仮説



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(1)精神分析の仮説

うつ病は、子ども時代に親からの愛情と肯定を求めながら得られなかったことに対する失望、そして親を幸せにできなかったという挫折に基づいている。その結果、次の感情が生じることになる。

  1. 親が愛情を向けてくれなかったのは、自分の無能さが原因にあると考える。低い自尊心、罪悪感、恥辱感などが生じ、認められそうな理想や褒められそうな目標は絶対に達成できないと思い、それが大人になってからうつ病発症のきっかけになる。

  2. 空虚感とその虚しさを埋めてくれるかもしれない人、何かを求める気持ち、そういうのを全部まとめて恥と感じている。

  3. そして、自分が満たされないことに怒りが生じる。その怒りは親イメージに向けられ、その結果、人間関係に対する失望と同時に過度の期待、そして葛藤につながっていく。

(2)認知行動療法の仮説

うつ病は、自己や他者、今後のことについて本人の中に自動的に生じる疑問の余地のない過程や思考の結果であるとする。

(3)心理療法で必要なこと

クライエントを支え、暖かく、導く態度を取ることが大切である。暖かく、誠実で、包容力があり、クライエントのこころの痛みへの理解を示せるセラピストが、一番クライエントのためになる。


3.引用・参考文献



「うつ」と「躁」の教科書

「うつ」と「躁」の教科書