臨床心理学にいる

学問としての臨床心理学や犯罪心理学について、日々徒然と書いているサイトです。

向精神薬 抗躁薬と抗不安薬の特徴

抗躁薬と抗不安薬とは


f:id:nutshell:20200905224536p:plain:w250

1.抗躁薬


抗躁薬とは気分安定化薬とも呼ばれ、躁病や双極性障害(躁うつ病)の躁状態に対して効果のある薬のことである。躁病や双極性障害の症状がエスカレートすると、多額の金銭を浪費したり、万引したり、大言壮語したり、他人に横柄な態度を取ったりと問題行動ばかりが多くなり、周囲への負担も非常に大きくなる。

特に躁病を患った患者の株の売買や、事業展開などは多額の借金が膨らむことも珍しくなく、躁病による金銭的な負担はうつ病などとは比べものにならないくらい程、酷くなる(ことが多い)。このような躁状態を沈静化してくれるのが抗躁薬である。現在、日本において主に処方されているのは炭酸リチウムとバルプロ酸ナトリウムの2種類である。


2.抗不安薬


抗不安薬は、不安、緊張といった症状を緩和させる作用を持った向精神薬の一種である。統合失調症などに使用されるメジャートランキライザー(抗精神病薬)に比べて穏やかな作用を持つことから、抗不安薬はマイナートランキライザー(精神安定剤)とも呼ばれる。

現在、日本国内で一般的に抗不安薬のほとんどは、ベンゾジアゼピン系(チエノジアゼピン系を含む)の薬である。これらの薬は、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬とほとんど同じ薬であり、強い抗不安作用を持つものが抗不安薬として使用され、強い睡眠導入作用を持つものが睡眠薬として使用されている。そのため、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬と睡眠薬をベンゾジアゼピン系マイナートランキライザーと呼ぶ。抗不安薬は、不安や緊張だけでなく、パニック障害やPTSDなどの不安を伴った症状にも幅広く使用されている。