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性犯とは 人はなぜ性犯罪に及ぶのか?

性犯罪とは


性犯罪とは、強姦(レイプ)や強制わいせつ(レイプまではいかないわいせつ行為)などの性的な刺激を求めた犯罪のことである。子どものときに性的虐待と身体的虐待又は精神的虐待を受けたことが多いとされる。


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古典的な精神分析では、性犯罪は性的な満足感にとどまらず、去勢されている現実を否認し、外に向かって働きかけることによって歪んだ自己実現を得る側面を持ち、家庭環境や社会状況、パーソナリティと強く結びついているとされた。すでに去勢されているがゆえに、去勢されていない現実を確認するしかないといえよう。 性犯罪というと、一見、短絡的に性的欲求を満足させようとしていると考えられがちだが、実際に性的な満足感を得るために「性犯罪」がわざわざ選択されることはなく、その背後にある「性犯罪」でなければ満たされない、倒錯したこころに目を向ける必要がある。幼少期における性的虐待との関連性が指摘されており、性という刺激によって、傷ついたこころや今この瞬間における心理的な苦痛や不快な思考を、必死に消し去ろうとする試みと解される。なお、粗暴犯と同じで、解離され(相手のこころにその思いをねじ込もうとし)ているがゆえに自分のこころは見えず、同時に相手のこころも何ら見えていないのかもしれない。

性犯罪はいくつかの種類がある。


1.強姦犯(レイプ)


過去の研究では、自分自身の男性性について悩み、女性を誘惑するもの、奪うもの、危険なものであると見なす傾向が指摘されてきた。女性をおそるべきものと見るか、弱小のものと見るかの間に葛藤を生じさせ、女性に攻撃性を向けることによって情緒的安定を希求する一方、逆説的に劣等感を確かなものにしていると考えられる。


2.下着盗


自信に欠け、劣等感が強く、異性への積極的な関わりを回避し、自閉的な倒錯行為を選択するケースが多い。代償行為であるだけでなく、選び取っただけに執着は強いとかもしれない。


3.小児わいせつ



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成人女性への気後れから、支配できそうな子どもを性的な対象とする。圧倒的な劣等感が渦巻き、パーソナリティの偏りも著しい一群だが、その自覚がないところに病理の重さがうかがえる。


4.売春など


いわゆる身を売るといった意識は低い。性役割意識の偏りやルーズさ、売春を通じてでなければ、自分の存在価値を確認できないと考えられる。


引用・参考文献



性犯罪者への治療的・教育的アプローチ

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