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臨床心理学や犯罪心理学についてだらだらと書き綴るサイト。

2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

非定型@抗精神病薬

1.非定型抗精神病薬の特徴 非定型抗精神病薬は、いくつかの精神伝達物質に対してより選択的に働き、ドーパミン受容体遮断作用だけでなく、セロトニン受容体をはじめとする様々な受容体に遮断作用を持つのが特徴である。現在の抗精神病薬の主流。 従来の定型…

定型@抗精神病薬

1.定型抗精神病薬の特徴 定型抗精神病薬は、ドーパミン受容体遮断作用がメインの薬である。副作用は、めまい、過鎮静、眼球上転、眠気、口の渇き、遅発性ジスキネジア、脱力感、低血圧(立ちくらみ)、便秘、振戦、月経障害、性機能障害、排尿困難、ふらつ…

抗精神病薬の種類

1.抗精神病薬の特徴 抗精神病薬とは、その名の通り精神病に効くという薬の意味であり、統合失調症、非定型精神病、躁病、中毒性精神病といった障害に伴う幻覚や妄想、興奮を抑制する薬のことである。メジャートランキライザーとも呼ばれ、大きく定型抗精神…

バルビツール酸系@睡眠薬

1.バルビツール酸系の特徴 ベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤が存在する現在にあって、致死量の低い古典的なバルビツール酸系をあえて処方する理由はほとんどない。とはいえ、非常に良く効く。 通常、安全性の高いベンゾジアゼピン系の睡眠薬が処方され、利か…

非ベンゾジアゼピン系@睡眠薬

1.非ベンゾジアゼピン系の特徴 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、脳内のベンゾジアゼピン受容体へ作用し、主にGABAの神経伝達を亢進することで催眠・鎮静作用を生じさせるものである。ベンゾジアゼピン系とは異なる化学構造であるにもかかわらず、薬理学的に…

ベンゾジアゼピン系@睡眠薬

1.ベンゾジアゼピン系の特徴 ベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤は、過去に使用されてきたバルビツール系の薬物に比べると非常に安全性の高い薬物といわれている。これはベンゾジアゼピン系の薬物が脳内のGABA神経のみに作用し、他の神経に影響を与えることは…

睡眠薬の種類

1.睡眠薬の特徴 睡眠薬は、睡眠導入剤とも呼ばれ、睡眠障害(不眠症など)や睡眠が必要なときに用いられる薬の総称である。睡眠薬には、バルビツール酸系、ベンゾジアゼピン系、チエノジアゼピン系、シクロピロロン系、抗ヒスタミン薬などがあり、それぞれ…

抗うつ薬の種類 第一世代から第四世代まで

1.第一世代の抗うつ薬 三環系抗うつ薬(1950年代〜)。 古典的な薬で、自殺の手段に使える。1950年代後半にスイスの精神科医が偶然発見した。三環系という名称は、3つの環を持つ化学的構造に由来する。この薬は、神経伝達物質を作る細胞が、神経伝達物質を…

異常性格

1.異常性格(いじょうせいかく) 人格異常、人格障害(パーソナリティ・ディスオーダー)、精神病質、変質者、変わり者、精神不均衡などとほぼ同義で使われる言葉。パーソナリティ(人となり)の偏りが著しかったり、異常であったりする。 つまり、普通の人…

意思欠如者

1.意思欠如者(いしけつじょしゃ) 意志欠如者とは、シュナイダーの精神病質人格10類型の1つである。あらゆる刺激に対して無抵抗で、異常なほどに周囲の影響を受けやすい。そそのかされてばかりいる。いわば「変温性の環境人間」であり、良い影響も受けやす…

好訴者

1.好訴者(こうそしゃ) 好訴者とは、もともと活動性の高さを背景に、権利侵害など何らかの屈辱的な出来事が引き金となり、その後の人生のすべてを訴訟と闘争に捧げようとする人のことである。独善的な正義感に基づいて、ひたすら告発・訴訟・闘争などを展…

無力者

1.無力者(むりょくしゃ) K.シュナイダーの精神病質人格類型の一つ。無力者は、自分自身のことを全く信じていないため、些細な身体の変化を過度に気にしやすく、結果、何かと気疲れしがちで、楽しみを感じることができない。身体的・心理的なストレスに敏…

敏感者

1.敏感者(びんかんしゃ) E.クレッチマーによると、敏感者とは、強い感受性を持つものの、感じ取ったものに縛られて適切に処理できない人である。また、無力感を抱く一方、高い理想自我を備えているため、罪悪感や屈辱感を抱きやすい。敏感関係妄想にまで…

常習(慣習)犯罪者

1.常習(慣習)犯罪者(じょうしゅうはんざいしゃ) 犯罪が常習(慣習)となっている犯罪性の進んだ犯罪者の一類型。ヴァールベルクによって提唱され、アシャッフェンブルクによって、その犯罪者分類(偶発殺人、激情犯人、機会犯人、予謀犯人、累犯者、慣…

偶発犯罪者

偶発犯罪者(ぐうはつはんざいしゃ) 不注意または過失によって、犯罪を起こすことになったもの。この場合、機会犯罪者と同様、一時的なものであるが故意ではない。たまたまそうなってしまった系の犯罪である。交通犯などに見られることが多い。

機会犯罪者

1.機会犯罪者(きかいはんざいしゃ) ワークベルクによって提唱された概念。目の前のせつな的な誘惑に魅せられて犯罪に及ぶものをいう。激情犯罪者、偶発犯罪者と並んでF.V.リストのいう瞬間犯罪者に属するが、情緒的な興奮がほとんどない点で激情犯罪者と…

放火犯

1.火の魅力 火は人間に興奮を呼び覚ますものであり、火を見て興奮するのは万人に共通する感覚である。「家事と喧嘩は江戸の華」という言葉もある。柳田国男の「火の昔」には、過去の日本人にとって火がいかに喜ばしく、美しいものであったかについて考察さ…

暴走族

1.過去の遺物「暴走族」 1980~90年代、高度成長期のまっただ中の社会は、子どもに勉強ができる「良い子」や受験の勝利者、社会の要求に応えて結果を出す若者を一方的に要求した。それだけにそれに応じられない子どもにとって、社会は極めて冷酷で不寛容、…

殺人

1.殺人の類型 生命犯とは、殺人などの犯罪を行ったものである。主なタイプは下記の通り。 (1)激情殺人 けんか、口論など、その場の状況によって怒りの感情が制御できなくなり、殺人に及ぶ。被害者は見ず知らずの人で、たまたま居合わせた場合が多い。 (2…

強盗

1. 強盗の特徴 強盗は、他の犯罪と比べると格段に自己露呈的な犯罪で、発覚しやすく捕まりやすいものである。金銭を奪う犯罪としては、あまりに短絡的・非効率的といえよう。実際、集団にせよ単独にせよ、強盗の多くは無鉄砲な形で短絡的に行われることが多…

援助交際・売春

1.援助交際・売春の意味 いわゆる身を売るといった意識は低い。性役割意識の偏りやルーズさ、援助交際や売春を通さなければ、自分の存在価値を確認できない空虚感と無力感が背景にうかがえる。

小児性愛(ロリコン)

1.小児性愛(ロリコン)の意味 成人女性への気後れから、支配できそうな子どもを性的な対象とする。圧倒的な劣等感が渦巻き、パーソナリティの偏りも著しいが、その自覚がないところに病理の重さがうかがえる。自分が「終わっている」ことに目が向かない。 …

下着盗

1.下着盗の意味 下着盗をする性犯罪者は、自分に自信がなく、劣等感を根付かせ、女性への積極的な関わりから逃げ続けている。下着は女性やセックスの代償であり、自ら奪い取ったことに価値を見出している。 下着になら安心することができる。