1.自己愛性パーソナリティ障害とは
万能感が中心的な病理を示し、自己の万能感や誇大性、優越感を必要以上に誇示し、対象を支配しようとするのが自己愛性パーソナリティ障害である。理想化された対象と合体することで、自己愛的な充足に浸り、対象との関係に関心を向けられなくなる。
万能感が中心的な病理を示し、自己の万能感や誇大性、優越感を必要以上に誇示し、対象を支配しようとするのが自己愛性パーソナリティ障害である。理想化された対象と合体することで、自己愛的な充足に浸り、対象との関係に関心を向けられなくなる。
引きこもりという病理は、シソイド・パーソナリティ障害に共通するものの、回避性パーソナリティ障害の場合、抱えている不安・苦痛が、シソイド・パーソナリティ障害のような迫害不安や精神病理による不安ではなく、抑うつ的な不安や罪悪感・苦痛である。自我を病理構造体に埋没させているわけではなく、より現実的で、対人関係を求める気持ちを抱いている。回避性パーソナリティ障害は、妄想・分裂ポジションではなく抑うつポジションに対する防衛といえる。
他の人から悪くいわれているのではないかとの恐怖を根づかせ、あらゆる対人関係で不安を感じ、そのために対人関係そのものを回避しようとする。とはいえ、つらい現実から逃げ、閉じこもりながらも対人関係を維持したいという気持ちを抱いている点が、シゾイドパーソナリティ障害とは異なる。
回避性パーソナリティ障害は、DSM-3の人格障害概念の基礎を作ったミロンによって提唱されたものである。当初は、その妥当性が疑問視されてきたが、その後、比較的多く見られる障害であることが認められている。臨床的には、社会恐怖や空間恐怖と合併することが認められ、その鑑別が重要となる。
シゾイドパーソナリティ障害は、現実の不安や苦痛、抑うつ等に耐えられないときにそそくさとシェルターとして病理構造体に引きこもろうとするパーソナリティのことである。病理構造体によって、妄想・分裂ポジションや精神病状態に陥ることから逃れることができる。
シゾイドパーソナリティ障害の特徴は、周囲から距離を取って孤立する在り方、万能的な振る舞い、内的な世界への引きこもり、現実感の喪失などである。自己愛の世界に深く引きこもり、理想化された対象と融合することで仮りそめの万能感に浸り、不安から逃れ、否認することができる。しかし、引きこもる程に健康な自我は痩せ細り、周囲の関心も薄れ、結果、超絶した態度を取ることに結びつく。
なお、統合失調症型パーソナリティ障害も、上記シゾイドパーソナリティ障害とその機制ほぼ同じである。